公開日:2023年6月19日

海外向けに外国語のウェブサイトを作りたい、2言語以上の多言語のウェブサイトを作りたい、でも具体的に何から検討したらいいのかわからない。アイ・ディー・エーの多言語ウェブ制作部門にはそうしたご相談をよくいただきます。
今回はこれまでのブログ記事の内容も含めて「海外向け多言語ウェブサイトの作り方」という大きめのトピックでお送りします。
アイ・ディー・エーへのご相談・お見積り依頼は下記のリンクから承っています。
多言語サイト制作の見積り・不明点等を相談する
目次
1. 最初に検討したい4つのポイント
国内向け/海外向けに関わらず、ウェブサイトの目的と役割、実現すべきゴールをはじめに明確にしておくことは大切です。
もちろん多言語ウェブサイトならではの検討事項も存在しますので、はじめに下記の4つのポイントを検討することをお勧めします。
- 1. 多言語サイトの目的とゴールを決定する
- 2. 展開する言語と数を決める
- 3. 翻訳費用、運用更新コストを考慮する
- 4. 多言語展開するコンテンツを精査する
下記の記事でそれぞれの詳細を解説しています。展開する言語の決め方や翻訳費用・運用コストの関係、多言語化するコンテンツを選ぶヒントなどにも触れていますのでご確認ください。
2. 海外向けSEOの違いについて
どんなウェブサイトでも検索エンジンからの流入は大きな割合を占めると思います。海外を対象にしたウェブサイトの検索エンジン対策(SEO)は国内向けのSEOとどんな違いがあるでしょうか?
実は基本的なSEOの考え方は国内/海外で根本的な違いがあるわけではありません。コンテンツの質と量、基本的な内部対策・技術的なSEO対策は変わらず重要になっています。
ただ一方で国内向けSEOでは意識することのない注意点等も多く存在します。
- 1. Googleは多言語サイトのどういった点を評価している?
- 2. SEOを考慮した多言語ウェブサイトのURL構造とは?
- 3. 多言語ウェブサイト向けドメイン名の検討ポイント
- 4. hreflangと地域ターゲティング
Googleの公式ドキュメントをベースにして上記のポイントに整理していますので、ぜひ確認してみてください。
3. 海外向けのウェブサイトデザインとは?
「海外向けのサイトデザインは国内向けとどう違うの?」「ターゲット国の人に刺さるデザインで作りたい」というご相談もよくいただきます。
確かに日本国内向けと海外向けではデザインの傾向が異なる部分があります。ただ、近年よく感じるのは、欧米圏から始まったウェブデザインのトレンドが世界に広まっていくスピードがどんどん速くなり、「この地域にはこういうデザイン」という傾向も少なくなっているということです。
どちらかというと「日本国内向け」のデザインが海外全般のトレンドから外れて独特な点が多く、例えば北米向けと欧州向けで大きな違いがあるかというと、そうでもないような気がしています。
この点は多言語ウェブ制作部門で10年以上のキャリアのあるデザイナーのインタビューが参考になるかもしれません。
4. サーバインフラ・多言語CMSを検討する
海外向けや複数言語のウェブサイトを検討する上では「サーバの場所」と「CMSをどう選ぶか」も重要なポイントになります。
海外向けウェブサイトに適したサーバインフラとは?
日本語のウェブサイトを制作するときには、サーバのスペックや構成を検討することはあっても、物理的な「サーバの場所」についてはあまり意識することはないと思います。ですが海外向けとなると「サーバをどこに置くか」は根本的かつ影響の大きいポイントになります。
なぜサーバの場所が海外からのアクセスに影響するのか、海外向けサーバの選択肢はどういったものがあるか、下記の記事で詳しく紹介しています。
中国向けウェブサイトのサーバ事情は他と異なる?
同じ記事で中国向けサイトのサーバ選定の注意点にも触れています。
- 中国国内にサーバを置く理由とメリット
- ICPサイト登録という許認可手続きの詳細
- 中国国内ネットワークの接続問題
などについても「中国向けウェブサイトの検討ポイント」というトピックで紹介しています。
多言語CMSの選定ポイントとは?
一定規模のウェブサイトを制作するときにはコンテンツ管理システム(CMS)を導入することがほとんどだと思います。
外国語のウェブサイト、特に(日本語も含めて)複数言語を扱う多言語対応のCMSはどう選べばよいでしょうか。操作性やセキュリティ面だけではなく、複数言語の翻訳をどう扱うかという大きなポイントが存在します。
アイ・ディー・エーの多言語ウェブ制作部では、下記の7つのポイントから多言語CMSを選定しています。
- 1. 言語ごとにサイト構造とコンテンツを柔軟に変更できること
- 2. 各言語ページのつながりがシステム化されていることが重要
- 3. 様々なURL構造に対応できること
- 4. 言語を追加するときのコストが低いこと
- 5. 使いにくいCMSでは意味がない
- 6. 言語ごとにCMSを用意することはNG?
- 7. CMS管理画面の言語対応もポイント
それぞれの詳しい内容や機械翻訳・自動翻訳を活用する選択肢についても下記の記事で詳しくお伝えしています。
5. 多言語サイトの制作費用や相場はどれくらい?
検索エンジンで「多言語サイトの制作費用」を調べると「およそ500万円~2,000万円」のような情報がヒットします。本当にそれくらいの費用が必要になるでしょうか。
多言語サイト制作費用について、主要な3つのパターン別の傾向、制作工程別の費用のかかりかたのポイントを下記の記事で解説しています。
機械翻訳の活用、海外向けSEOでの重要ポイント、HTML直接翻訳による効率化など、多言語サイト制作費用に関連する事項も紹介しています。
- 多言語サイトの制作パターンと制作費用の関係
- 費用への影響が大きいのは制作ボリュームと言語数
- 多言語サイトの設計工程
- システム関連の検討フェーズ(CMS・多言語化ツール等)
- 多言語翻訳フェーズの費用
- 機械翻訳と人力翻訳、どちらを選ぶべき?
- サイト制作フェーズの費用
6. 多言語ウェブ制作のワークフローと制作費用の関係
ウェブサイトの設計段階が終わり、実際に多言語ウェブサイトの制作を進める上ではどのようなポイントがあるでしょうか。
日本語ウェブサイトと多言語ウェブサイトの制作工程の違いを比べると、やはり外国語への翻訳という工程が一番大きなポイントになります。制作工程の組み方によって制作効率やスケジュール、制作費用(お見積り)も変わってくる重要なポイントです。翻訳を含むウェブサイト制作のワークフローについて、特に重要な4つのポイントを下記の記事で紹介しています。
- 1. 日本語サイトと多言語サイトの制作工程の違い
- 2. 翻訳開始までに日本語をFIXすること
- 3. 翻訳を開始するタイミングはどこがベスト?
- 4. 複数言語翻訳のスケジュール管理
7. 海外向けサイト制作費用削減3つのヒント
海外向け多言語サイトの制作を検討する上で、費用の問題は避けて通れないと思います。展開したい言語の希望はいろいろあっても費用の問題で展開言語を減らさざるを得ない、ということもよくあります。
海外向けサイトの目的・ゴールに向けた効果は落とさずに、費用を削減する方法はあるでしょうか?
実は3つのポイントを検討することで費用を大きく削減することが可能です。
- 1. 海外向けに展開するページを見直す
- 2. 多言語展開する言語数を見直す
- 3. 翻訳を開始するタイミングはどこがベスト?
各ポイントの詳細と、200ページ規模のB2B製造メーカーサイトを3言語に展開する想定で、どれくらいの費用削減が見込めるかを紹介しています。
まとめ:基本を押さえて賢く検討、ビジネスに役立つ海外向けサイトを
この記事では、海外向け多言語ウェブサイトの作り方として6つのポイントを挙げました。
サイトの目的やゴールを初めに明確にする点、基本的なSEOなどは日本語サイトを制作する場合と共通しています。一方、デザインやサーバインフラ・CMS、制作工程には、海外向け・多言語であることの違いが大きい点も存在します。
いくつかのポイントを適切に検討することで、不要なコストを削減しつつ効果を落とさずに多言語ウェブサイトを検討する例もご紹介しました。
これらの項目はお客様ごとの事情やご要望、ビジネスの目的によって個別に具体的な検討が必要になりますが、一番重要なことは単に「海外向けに多言語ウェブサイトを制作する」ことではなく、そのウェブサイトがお客様のビジネスに貢献することだと思います。
アイ・ディー・エーでは豊富な制作事例から、B2Bサイトや訪日外国人観光客(インバウンド)向けサイトなど、様々な業種のお客様のお手伝いをしてきました。
海外向け/多言語ウェブサイト制作について、具体的な検討を進める上でご不明な点、ご相談事項などございましたら下記のお問い合わせフォームからお気軽にお問合せください。多言語ウェブ制作部門のディレクターがご対応いたします。
WEBチーム:堤