多言語LP(ランディングページ)制作で押さえたい4つのポイント

WEBチーム:堤
2024.05.28 2024.06.04

こんにちは、アイディーエー株式会社WEBチームの堤です。翻訳会社内のWeb制作部門で、年間20〜30の多言語サイトの制作・運営に携わっています。今回は多言語・外国語のランディングページを検討されている方向けに、日本語LPとの違いや重要になるポイントを紹介します。

多言語LP(ランディングページ)とは

多言語LPとは、主に海外のユーザをターゲットに制作する外国語のランディングページを指します。日本語を含む複数の言語で制作する場合や、特定の1言語で制作することもあります。

ランディングページとは、例えばインターネット広告を出稿するときに、広告をクリックした先で表示するためのページ(ユーザがランディングするページ)です。検索エンジンで特定のキーワードでヒットしたときの受け皿として制作されることもあります。

ホームページとランディングページはどう違う?

ホームページは下層コンテンツへの誘導の役割

ホームページはウェブサイトのトップページとして、サイト内の様々なコンテンツにユーザを誘導する役割があります。このため、いくつものリンクボタンや説明で構成され、ユーザに目的のコンテンツを選んでもらう「待ち」の側面があります。

LPは一つの目的に特化して、ユーザの行動を促す

一方、ランディングページには明確な目的があり、それに特化したビジュアルやキャッチコピー、商材の説明で構成されます。それ以外の要素は極力省かれ、スクロールして読み進むことでユーザに目的の行動を促すよう「攻め」の姿勢で設計されます。
LPの目的として代表的なものとしては下記があります。

  • サービスやキャンペーンの申し込み
  • 資料ダウンロードや問い合わせの促進
  • セミナーの申し込み

日本語のLPと多言語LPの違い

日本語と外国語(例えば英語)のLPにはデザインや構成に違いはあるでしょうか?
個人的な見解になりますが、徐々に違いは少なくなりつつあるものの、やはり国内向けと海外向けのLPではデザインや構成に違いがあるように思います。

例えば日本語のLPデザインをまとめたサイトと、英語のLPデザインをまとめたサイトを見比べると、その傾向がわかります。

ハイコンテキストな日本語、ローコンテキストな英語

業種や商材にもよりますが、日本語のLPは文字や画像などの情報が多いのに対し、英語のLPはシンプルで明確な内容・構成が多いです。客観的な数字で強調したり、ユーザの声やメディア掲載の抜粋などの第三者評価も海外向けLPで多く目にします。

文化の共有性が高い「ハイコンテキスト」な日本語圏では情報量が多くても読んでもらいやすいのに対し、様々な文化的な背景の話者が多い「ローコンテキスト」な英語圏では、よりシンプルで明確な構成が好まれるようです。

どちらがよいということではなく、英語を含む多言語で情報を発信するときには、英語を念頭に置いたデザインや構成の方が良い結果が得られると思います。

成果を出す多言語LPのポイント

ランディングページである以上、LPとして重要なポイントは多言語になっても変わらず重要です。例えば下記のようなポイントが検討されていないと、LPとして成果を出すことは難しくなります。

  • LPの目的とゴールの設定
  • ユーザをゴールに誘導するための情報と設計
  • それをわかりやすく伝えるビジュアル、テキスト、データ
  • ユーザの行動を促すCTAボタン

LPとしての基本的なポイントに加えて、多言語LPでは下記の点を検討してください。

1. よりシンプルに、明確に

例えば英語のランディングページで推奨されるコンテンツ量は 250~300ワードと言われることがあります。日本語の文字数に直すと約500~600字くらいの分量です。

原稿用紙1枚ちょっとのテキストというのは、日本語のLPだとかなり少ないと思います。多くの説明を要する商材の場合はこの限りではありませんが、海外向けのLPではそれくらい簡潔に・シンプルな構成が求められます。構成がシンプルであるほど、ユーザをゴールに導く力は増加します。

2. ファーストビューで伝える

ウェブサイトを訪問したユーザは約3秒でそのページを読むかどうかを判断する、と言われます。もっと短いという研究もあるようですが、こうした研究は主に海外で行われたものですので、英語のLPでもそれを前提としたほうがよいと思います。

3秒というと、ほぼページの最初に表示されるエリア(ファーストビュー)ということになります。訪問したユーザにここで「このページは読む価値がある」と思ってもらえるかが最初の勝負になりますので、ファーストビューで「ユーザに提供できる価値」を伝えることは、多言語LPではより重要になります。

3. 翻訳の品質がLPの質

外国語のコンテンツを制作するとき、その言語のネイティブユーザに伝わるかどうかには翻訳の質が大きく影響します。簡潔な構成をとる多言語LPでは翻訳品質の重要性はより大きくなります

4. 機械翻訳・AI翻訳は多言語LPには不向き

飛躍的に精度を上げている機械翻訳・AI翻訳ですが、比較的テキスト量が少ない多言語LPでは、翻訳コスト削減のメリットよりも下記のようなデメリットが大きくなります。

  • 正確性が担保されないため、人のチェック・編集が必要になる
  • 専門用語や専門性の高い内容の対応が難しい
  • 文化的な背景を踏まえたニュアンスの表現ができない

少ないテキストでネイティブユーザにメッセージを届けるためには、プロのネイティブ翻訳者を起用し、さらにリライトを加えるなど、より品質を上げる方向で検討することをお勧めします。

まとめ:海外ユーザに伝わる多言語LP制作には

海外のネイティブユーザに伝える外国語ランディングページの制作で重要になるポイントをまとめると下記のようになります。

  • LPの目的とゴールを明確に設定し
  • ユーザをそのゴールに導くシンプルで力強いページ構成を作る
  • わかりやすく伝えるビジュアル、テキスト、データを作成し
  • ユーザに提供できる価値をファーストビューの数秒で伝える
  • 翻訳の品質が外国語LPの品質を左右するため
  • プロの翻訳者を起用し、可能ならリライトも入れて品質を上げる
  • ユーザの行動を促すわかりやすい翻訳表現でCTAボタンを設置する

例えば50ページのコーポレートサイトを複数の言語で展開すると制作費用も大きくなってしまいますが、1ページ構成のLPだと展開言語が増えてもそれほどの費用増になりません。その意味で多言語LPは海外向けコンテンツとして取り組みやすいと思います。

アイ・ディー・エーでは社内に翻訳部門とウェブ制作部門を持ち、多言語LPの翻訳から制作までを一気通貫で対応することができます。

プロの翻訳者を含むネイティブの意見を反映できることに加えて、海外向けウェブサイト制作の経験豊富なデザイナー、ディレクターが担当し、海外のネイティブユーザに届くランディングページを制作します。

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