2020年9月29日

世界の全人口約77億人のうち、英語を話す人々は約15億人。現時点で英語は世界で最も使用されている言語です。世界の共通語としての役割も大きいですね。けれど、英語にも国や地域によって少しずつ違いがあります。翻訳を手がける時には誰が読んでもわかる英語を使用していないと、意味が通じないことも?!

世界はひとつ。でも、英語の世界はひとつじゃない

2019年の統計では、世界の人口はおよそ77億1,500万人(出典:UNFPA state of world population 2019)。そのうち英語を話しているのは、ネイティブスピーカーだけでなく第二言語として使用している場合も含め、約15億人にのぼるといわれています。

英語は、世界中の人々にとって共通のコミュニケーションツールとして有効活用されていますが、同じ英語でも国や地域が違えば、発音や日常的に使っている単語などが異なることももちろんあります。たとえば、人口約1億2,000万人の日本でさえも、全国各地にさまざまな方言が存在しているので、そのイメージで考えてみると、世界中にはどれくらいの「ご当地」英語があるのだろう、と興味深いですね。

変わらないもの、変わりゆくもの。言葉は常に変化している

日本人に馴染みの深い英語といえばアメリカ英語。学校教育で教えられている英語の多くがアメリカ英語です。アメリカ式の影響を強く受けているのは日本以外にもカナダやジャマイカ、そして韓国など東アジア、東南アジアではフィリピン。またもうひとつの大きな潮流はイギリス英語です。ヨーロッパや東南アジア、オセアニア地域の多くは英語をイギリス式で学びます。歴史的に見てみると、かつてイギリスの統治下に置かれた国や地域は文化的にも影響を受けているため、圧倒的にイギリス英語が多いのです。さらにそこから派生したそれぞれの国の英語が存在していて、とても一言では語れない奥の深い世界です。

たとえば、当社にはアイルランド出身者やカナダ人スタッフも在籍していますが、彼らの母国語であるアイルランド英語、カナダ英語は、それぞれイギリスやアメリカの影響を大きく受けているものの、やはりその国でしか使用されない表現や独特のルールが存在していると言います。もともとは同じ1つの言語であっても、その国の歴史や時代背景、トレンドなどを取り入れながら言葉はさまざまに変化しています。その中でもちろん変わらないものもありますが、常に新しい形へとブラッシュアップも行われていて、流行語や廃れていく言葉など、それぞれの国や地域で独自の進化を遂げていきます。

アメリカンポップカルチャーが世界を席巻し、言葉も変わる

世界で話されている英語の多くはイギリス英語。先ほどそのように言いましたが、「かつてはそうだった」と言い換えた方がいいかも知れません。もちろん、多くの国や地域で人々が公用語として使っているのはイギリス英語に影響を受けたものなのですが、日常的に使われるツールとして、また世界共通認識としての英語は、実はアメリカ英語の方が圧倒的にポピュラーになってきたという印象があります。その理由がアメリカのポップ文化の台頭です。映画や音楽などエンターテイメント業界から発信される数々のコンテンツに世界中が注目し、多くの影響を受けることで、その言葉や表現が人々の間で自然と広まり、受け入れられてきたことが関係しているのではないかと思います。

さらに、ここ十数年の間でインターネット文化が急速に拡大したことも、理由のひとつかもしれません。オンラインで簡単に世界中の人たちと繋がることが当たり前の日常で、そこでやり取りされている共通語ともいうべき言葉が、アメリカのポップ文化の影響を受けたアメリカ的表現。若い世代を中心に、独特のネットスラングや流行語などもたくさん生まれています。

アメリカ英語ともちょっと違う、世界標準の英語とは?

文化的な背景から、アメリカ英語が世界の共通語としての役割を果たすようになってきたものの、翻訳業界ではまた少し違う認識を持っておく必要があります。

私たち翻訳会社が依頼される仕事は多岐にわたりますが、日本語から英語に翻訳するだけでも、そのパターンはひとつではありません。ヨーロッパ、北米、アジア、オセアニアなど、ターゲットがはっきりと定まっている場合には、その地域に根ざした英語を使用しますが、お客様によっては全世界に向けて情報発信したい、というご依頼もあります。その時には、世界中誰もが理解できる「世界標準の英語」を使用します。

当社が考える世界標準の英語とは、アメリカ英語をベースに、よりシンプルでわかりやすい表現を用いたものを指します。スラングや慣用句などはその国でしか通じないものもあるので、アメリカ英語が広く浸透しているとはいえ、そのまま全世界に通用する言葉として使用するには少しリスクがあります。極力平易な言葉に置き換え、長いセンテンスは短くするなどの工夫をして、アメリカ英語からさらにグローバルイングリッシュへと変化させたものを、当社では「世界標準の英語」と位置付けています。

お客様から「日本語から英語に翻訳をお願いします」と依頼されることが多いのですが、英語の中にもいろいろあり、どの地域をターゲットにするかによって、使用する単語も変わります。そんなお話をお伝えしていくステップも、お客様との大切なコミュニケーションになっています。

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