明細書翻訳以外にもフレキシブルな対応が可能|特許翻訳サービスとは

2021.10.06 2024.11.14

外国での特許出願時に必要な明細書の翻訳を行う際には、高度な翻訳スキルとともに技術的分野の知識や理解力が必要とされます。当社では理工学部出身者や特許事務所での翻訳経験者、もしくは10年以上特許翻訳を継続している現役翻訳者のみを起用し、よりクオリティの高い特許翻訳サービスを提供しています。さらに当社では、ご要望に応じてフレシキブルな対応が可能です。特許翻訳にまつわる当社での取り組みの一例を紹介します。

特許翻訳が必要な場面(書類)

特許翻訳は主に以下の書類を作成する際に必要とされています。

特許明細書

特許明細書とは、特許権を取得する際に必要な書類であり、発明の内容を詳細に説明した書類です。外国で特許を取得する場合は、(一般的に)当該国の言語で翻訳された特許明細書が必要となります。

特許明細書には、主に以下の内容について記載されています。

  • 発明の名称
  • 発明の概要
  • 発明が属する技術分野
  • 発明の権利範囲
  • 発明の具体的な実施例など

拒絶理由通知書

拒絶理由通知書とは、特許審査の過程において、特許が認められない場合に発行される書類です。外国で特許申請している場合は、(一般的に)当該国の言語で書かれた拒絶理由通知書が発行されます。

拒絶理由通知書には、主に以下の内容について記載されています。

  • 拒絶の理由
  • 参照文献等(拒絶の根拠となる参照情報)
  • 対応方法・修正期限等

意見書・補正書

意見書・補正書とは、拒絶理由通知書に対する意見を述べるための書類(意見書)、提出した特許明細書の内容を修正するための書類(補正書)です。
外国で特許申請をしている場合は、どちらも翻訳する必要があります。

意見書・補正書では、主に以下の内容について記載されています。

意見書

  • 拒絶理由への意見・反論
  • 新たな裏付けとなる証拠や例等

補正書

  • 明細書に関する修正事項

特許翻訳に求められるスキル・能力

特許翻訳では、高い語学力(翻訳力)のほか、専門性に特化した知識なども求められます。

特許に特化した専門的な知識

対象特許の分野にかかわる専門的な知識や深い理解が必要です。
また、「特許制度」や「特許法」など、「法律的な知識」についても熟知している必要があるでしょう。

翻訳の正確性・表現力

特許翻訳では、原文・訳文間で異なる内容となってしまわないような正確性はもちろん、忠実に翻訳できる表現力なども必要とされます。

小さな誤訳から特許権が使い物にならなくなる場合も

英語圏での特許出願の翻訳は日本で準備することが多いですが、中国語や韓国語といったアジア言語への翻訳は、当該国の特許事務所に依頼しての手続きが主流となります。そういった多言語翻訳は、どれくらいの精度を保てているのか不安に思われることがあるかと思います。どんなに秀でた発明であっても、発明の内容を正確に反映していない翻訳表現となっていた場合には、後に大きなトラブルに発展することもあるかもしれません。

たとえば、特許取得後に「権利範囲が想定していたものと違っていた」では、せっかく取得した特許が使い物にならないということにもなりかねません。外国での特許出願に相当なコストをかけて、このようなことが起こると、出願人様にとっては大きなダメージです。

特許明細書の「逆翻訳」がトラブル回避に役立つ

このような事態を回避するのに役立つのが「逆翻訳」です。
逆翻訳とは、特許出願を希望する国の言語に翻訳された明細書を、再び元の言語(日本語)に翻訳し直すことです。例えば、日本語から英語、中国語、韓国語、ドイツ語などに翻訳された特許明細書を、再度日本語に逆翻訳して、内容の正確性やニュアンスが適切に伝わっているかを検証します。

逆翻訳は英語以外の言語でのご要望が多く、当社でも、日本語→中国語に翻訳された中国語訳をご提供いただき、中国語→日本語にするパターンを数多く承っています。膨大な特許申請書類のうち、必要不可欠なポイントに絞って事前にチェックを行うことで、スムーズな特許申請をバックアップします。さらに、翻訳に対する評価表を添付し、より正確な特許翻訳を構築するのにお役立ていただいています。

特許翻訳では避けて通れない「オフィスアクション」をスムーズに

特許明細書に関連するご依頼で、逆翻訳以外にもご相談が多いのが「オフィスアクション」の翻訳です。特許庁と出願人様の間で必要となるやりとりについて、英語から日本語へ、そして再び日本語から英語へ、迅速かつ正確な翻訳をご提供しています。特許明細書の翻訳を当社にご依頼いただいていない案件に関しても、明細書の和文、英文をご提供いただき、内容を把握した上で翻訳させていただきます。オフィスアクションの翻訳まで手が回らないなど、お困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

詳しくは、特許翻訳サービスの特長について解説している記事をご確認ください。

特許翻訳コストのスリム化はどのように実現できるのか

昨今は機械翻訳の精度も上がり、案件によっては機械翻訳を大いに活用できる機会も増えています。コストダウンなどのメリットも大きく、当社では、出願人様のご要望に応じ機械翻訳にも対応しています。機械翻訳は精度が上がっているとはいえ、まだまだ発展途上です。ささいな誤訳が権利範囲を揺るがしかねないため、慎重な翻訳が求められる特許翻訳申請などは、さまざまな専門性をもつプロ集団である翻訳会社を活用しましょう。

当社では、実績豊富な特許翻訳者が、機械翻訳では判断できない、発明の重視すべきポイントをふまえた仕上がりになるようポストエディットを行います。

特許翻訳にも「翻訳資産」を活用する時代です

当社では、CAT(Computer Assisted Translation)ツールと呼ばれる翻訳支援ツールを使用して翻訳し、翻訳済みデータを「資産」として管理しています。案件ごとに翻訳資産のアップデートを行うことで、用語・表現の統一等、より精度の高い翻訳を提供することが可能となります。また、翻訳資産が蓄積されていくほど、作業工数の削減、納期の短縮、持続可能なコストダウンにつながります。さらに、翻訳資産を管理・運用することで、精度の高い機械翻訳のための原資となるデータを蓄積することにもつながります。

まとめ

当社アイ・ディー・エーでは世界中のネットワークを駆使して80言語以上の翻訳対応が可能です。また、特許翻訳サービス以外にも、パンフレットなどの紙媒体からWebサイトまで、幅広い媒体に対応できる制作体制で、お客様のビジネスや活動をサポートしております。

また、翻訳業務のみならず、データを資産として運用していく重要性についてもお伝えしています。詳しくは当社へお問い合わせください。

詳しくは、翻訳データを企業の資産として活用するメリットについて解説している記事をご確認ください。