2021年3月17日

日ごろから翻訳業務の取り扱いが多い企業では、翻訳された文書の改訂作業も頻繁に必要になります。その時、翻訳データベースを活用すると、改訂にかかるコストや時間のスリム化にもつながります。

翻訳データベースはいわば「翻訳資産」。大切な資産の管理・運用はできていますか?

その文字データは「翻訳資産」ですか?

翻訳は、一度依頼してしまえば終わりではなく、時間の経過とともに改訂が必要になる場合がほとんどです。新製品の登場やリニューアル、廃盤など情報のアップデートは避けられません。その時、翻訳データベースを活用すると、これまで蓄積してきたデータを元に、新しく翻訳が必要な箇所と既存の翻訳が使用できる部分を自動的に解析することができ、その結果に基づいて効率的で精度の高い翻訳が行えます。結果的に、無駄がなくなり翻訳コストの圧縮にもつながります。

ところが、せっかく翻訳したものをデータとして蓄積し、データベースで管理している企業はそれほど多くないのが現状です。Wordなどのソフトウエアで入力された文字データや、自社のホームページの画面に文字が残っていたとしても、それはあくまでも「文字」にしか過ぎません。翻訳データとして活用するためにはデータベース化して、「翻訳資産」として活用できることが重要なのです。

「翻訳資産」となる翻訳データベースって何?

翻訳資産=翻訳データベースには、原文と訳文の対訳データから抽出した2つの要素が含まれます。

1つは「翻訳メモリ(TM/Translation Memory)」で、過去に翻訳した内容を文章(文節)ごとに保存しています。

もう1つは「用語集(TB/Term Base)」で、専門用語、固有名詞などの特定の用語の対訳語を入力した、単語単位の対訳集です。
この2つのデータをスムーズに活用するために、CAT(Computer Assisted Translation)ツールと呼ばれる翻訳支援ツールを使用し、翻訳者がクオリティの高い翻訳を効率よく行っています。

たとえば、ホームページをリニューアルした場合、原文である日本語に大幅に修正が加わることがあります。その場合でも、最初に翻訳した内容がデータベースに登録されていれば、これから翻訳を行う文章との差異を翻訳支援ツールが自動的に解析。新旧の内容の一致率に応じてもともとあった翻訳を再利用できます。その結果、翻訳が必要な文章量が減り、翻訳コストの削減や納期の短縮につながるのです。

ブランドイメージの統一にもつながる!

翻訳支援ツールを使用して、翻訳データベース(翻訳資産)を活用するメリットは他にもあります。それは、用字用語の統一がスムーズに行えるということ。翻訳者が以前と変わっていたり、複数人で翻訳作業を請け負う場合でも、データベースを参照しながら最適な対訳を導き出すことができるので、言葉のブレを極力抑えられます。

用字用語の統一は、全国展開を行っているホテル・飲食チェーンをはじめ、企業の支店・営業所など複数で事業展開している場合にも、大きなメリットになるのではないでしょうか。

データベースに情報を集約させることで、国内外どこでも場所を問わずブレの少ないデータを共有でき、企業としてのイメージ統一はもちろん、これまで事業所ごとに発生していたコストや時間までもがスリム化できます。

翻訳資産の運用・管理は、経営強化をはかるための有効手段として、これからますます重要になってくるかもしれません。

機械翻訳の前に、まず「翻訳資産」の最適化をめざそう

翻訳データベース(翻訳資産)を運用することで、翻訳費用など制作費のコストカットにつながるメリットはあるものの、大切な資産を守るためには管理も必要になります。翻訳済みのドキュメントに変更が生じた場合には、翻訳支援ツールを使用してデータベースとドキュメントの内容を一致させておくなど、メンテナンスは必須です。

当社では、翻訳業務と翻訳データベースのメンテナンスを含めた一括管理をおすすめしています。一朝一夕にはできない翻訳データのデータベース化は、今日、明日の利益ではなく、数年先の未来への投資でもあります。

これからは機械翻訳の時代だといわれることも多いのですが、機械翻訳にとっても、翻訳メモリや用語集といった翻訳データベース(翻訳資産)は重要なファクターとなります。

機械翻訳を効率よく運用するためには、学習データの集積が欠かせません。翻訳メモリや用語集のデータを機械翻訳に学習させ、トレーニングを積んだ上で活用すれば、よりよい結果を導くことが可能になります。

翻訳資産の活用をはじめ、管理・運用についても、当社にぜひご相談ください。