タイ在住歴10年の翻訳チームMさんに聞く! タイ語フォントのこぼれ話


アイ・ディー・エーには海外からリモート勤務されている人もいるのですが、先日タイ在住歴10年の翻訳チームMさんから聞いたタイ語フォントにまつわるエピソードがとても面白かったので、こぼれ話的に3つ紹介します。
1. パソコンのフォントとタイの街中で見かけるフォントは形が違う!?
一般的なWindowsパソコンでタイ語を表示するときに使う「Leelawadee UI」や「Tahoma」フォントの表示と、実際のタイの街中でよく目にするフォントはずいぶん違うそうです。WordやOutlookでタイ語を読むことに不自由のないこのスタッフも、看板や広告のタイ語だとパッと見ただけでは読めなかったり、理解するのに時間がかかることがあるそうです。
具体的にどのくらい形が違うのか表にしてみました。タイ語には44文字の子音があるのですが、そのうち20文字を4種類のタイ文字フォントで表示したのが下記の表です。
縦方向に同じ文字が並んでいます。①②③④でずいぶん形状が異なりますね。 ①がパソコンでよく使われる「Tahoma」というフォントです。文字の書き出しに小さい〇があることに注目してください。この〇は、タイ語ではหัว(フア)と呼ばれます。
②③④には同じような〇はありません。よく見ると〇の箇所が少し曲線になっていたりしますが、それもフォントによって異なっているようです。
タイ人なら何の問題もなく同じ文字と認識できるようなんですが、タイ在住歴10年を超えるMさんでも〇のないフォントは分かりにくい、とのことでした。
2. タイ語のSNSで使われる謎の「555」…?
タイでもLINEのシェアは高く、スタンプのやりとりも普通だそうです。その中に下記のようなスタンプがあるそうなのですが、どういう意味だと思われますか?
※画像はイメージです
タイ語で数字の「5」は、「ハー」と発音するので、「555」は「ハハハ」となり、笑いを表現しているんだそうです。
日本語でいう「www」と似ていますね。言語が違ってもチャットやSNSでは同じようなことが起こるようです。
3. 日本人にだけ読めないタイ語フォント?
2023年に旧Twitterで話題になっていた、日本人にだけ読めない「タイでよく見るフォント」の話を紹介します。
下記のツイートの画像、皆さんは何と書いてあるか読めますか?
タイのとあるカフェのカップに書かれていた、一見日本語のような何だかわからないこの文字、実は下記のように書かれているんだそうです。
答えは「SOUL OF COFFEE」でした。 日本語のひらがなやカタカナの文字を使って、形がよく似た英語のアルファベットの文字として読ませているんだそうです。
見た目がおしゃれだからとか可愛いからという理由でこうしていて、タイ人には自然に受け入れられているようです。
話をしていたMさんも「タイではおかしな日本語文字が商品名に使われているのをたまに見かけるので、どうして事前にチェックしないんだろうと思っていたが、わざとやっているのかもと考えたら非常に面白かった」と言っていました。タイで実際に目にした日本人でないと、この混乱する感じは伝わりにくいですね。
おわりに
私自身タイ語とはあまり縁がなく、「タイ語は難しい」というイメージだけありましたが、今回のMさんの話を聞き、タイの方のフォントをおしゃれに利用したり、日本語のフォントで遊び心を持つといったエピソードにとても親しみを覚え、タイに対して前より身近に感じるようになりました。
多言語ウェブサイト制作の中でもタイ語は難易度の高い言語になっています。タイ語のウェブサイト制作についてのお困り事やご相談があれば、こちらから承っています。
WEBチーム:西畠
最新の記事
-
アイ・ディー・エーの社会貢献活動について
-
英文開示の翻訳を翻訳会社に依頼するときのポイントを解説
-
IR資料の英文開示に機械翻訳を活用する方法を東証のハンドブックから解説
-
東証の「英文開示ハンドブック」に見る、IR資料翻訳を進める3つのステップ
-
機械翻訳とプロ翻訳を融合した翻訳手法「ポストエディット」の活用方法を解説
よく読まれている記事
【実践ガイド】海外向け多言語サイトの作り方と制作費用を7つのトピックで解説
多言語サイトで機械翻訳を使うときの5つの注意点
Google公式情報に見る海外向けサイトのSEO、多言語サイトのSEOポイント
HTML直接翻訳で多言語サイト制作の手間と費用を大きく削減
多言語LP(ランディングページ)制作で押さえたい4つのポイント