取扱説明書のオンライン化が加速!CMSを活用しよう
製品の取扱説明書やマニュアルのオンライン化が急速に進んでいます。多言語翻訳が必要な場合、これまでPDFや印刷物を制作していた時はコストがかかりすぎるのが難点でしたが、CMS(コンテンツ管理システム)を導入してWEBマニュアルやHTMLマニュアルに仕様を変更することで、コストダウンも可能に?!
オンラインマニュアル(HTMLマニュアル)がスタンダードになる
製品やサービスに関する取扱説明書やマニュアルの多くは、印刷物やPDFなどを制作するためにドキュメント制作が行われてきました。WTO加盟国が遵守するべきガイドライン、消費生活用製品の取扱説明書に関する指針「ISO/IEC Guide37:1995」では、製品とともに紙に印刷された取扱説明書の添付を規定していることもあり、製品とセットで提供されるのが通例でした。
その後、2012年に発表された「ISO/IEC Guide37:2012」では、WEB媒体での取扱説明書の提供も容認されるようになり、少しずつオンラインマニュアルも普及し始めます。いわゆるWEBマニュアル、HTMLマニュアルと呼ばれるものですが、取扱説明書の完全オンライン化に踏み切る企業はまだまだ少ないのが現状でした。
2020年以降は新型コロナウイルスの影響もあり、あらゆるもののオンライン化が加速するなかで、取扱説明書やマニュアルのオンライン化の需要も必然的に拡大してきています。
取扱説明書のオンライン化|メリット・デメリットは?
取扱説明書やマニュアルをオンライン化することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、デメリットはないのでしょうか。メリット・デメリットについて考えてみます。
WEBマニュアル(HTMLマニュアル)導入のメリット
工場などの製作現場や電車での移動中など、時間と場所を選ばずパソコンやタブレットで取扱説明書やマニュアルを確認したい、というニーズは増えています。また、スマホで利用する製品、例えばヘッドホンなどの取扱説明書はスマホで確認できると便利ですよね。紙の説明書やマニュアルはページ数も多く、該当ページを探すのにも時間がかかります。オンラインマニュアルであれば、検索したいキーワードを入れて必要な情報をピンポイントで呼び出すことができ、持ち運びの際の重さも負担になりません。
デジタル技術を活用することで、紙資源の節約になるほか、ユーザーからのフィードバックが可能になり、クレーム対応のスリム化にもつながります。アクセス解析に活用することも可能であり、ユーザーに良く見られているページや、良く利用される検索キーワードを確認できるため、そういった情報をメーカー側はサービスの向上に繋げることができます。実際にここ1〜2年で企業様から当社へのアクセス解析に関する相談も増えてきています。
マニュアルのオンライン化でデメリットはある?
取扱説明書やマニュアルのオンライン化はメリットも大きいですが、WEB環境がない場合や電源が確保できない時には使用できないのがネックです。パソコンやタブレット、スマートフォンなどを起動させられなければ、見ることはできません。また、企業によっては外部との接続のないローカルパソコンで確認したいという場合もあるでしょう。現時点では、それぞれの企業様の事情によって、オンラインマニュアルとともにPDFを併用していくなどの対策も必要です。
WEBマニュアルに欠かせない多言語ドキュメント制作管理CMS
さまざまなWEBマニュアルを制作・運用する際には、CMS(コンテンツ管理システム)が重要なカギを握ります。少数精鋭のチームから大規模・多国籍企業まで、幅広いニーズにワンソースで対応可能なシステムであれば、特に海外向けの多言語展開を必要とされる企業様の課題解決に、大きな力を発揮できます。
CMSを導入することで、実現できることのひとつに大幅なコストダウンがあります。これまでのマニュアル制作では、人の手によるDTPオペレーションが不可欠でした。そこに多言語翻訳が加わる場合、仮に10言語でPDFなどを作成する必要があるとすれば、言語数に比例して大幅に工数が増加し、コストもかさみます。CMSを利用すれば、最初のシステム設計の段階でテンプレートを決定し、自動レイアウトを行うことで作業工数の大幅な削減につながります。言語数が増えれば増えるほどコストダウンを実感できるうえ、紙媒体やPDFのようにページ数に制限がないので、これまで人の手で行ってきた細かなレイアウト調整なども基本的には不要になり、短納期を実現します。
多言語ドキュメント制作管理CMSについて
当社が取り扱う多言語ドキュメント制作管理CMSは、比較的スモールスタートしやすい「MadCap」、大規模・多国籍企業向けの「Author-it」をラインナップしています。
利益追求型ではない。翻訳会社が考えるCMSとは
オンラインマニュアル制作の強い味方となるCMS。システムを効率よく運用していくことで、コストダウンを実現でき、長いスパンで考えるとその費用対効果を実感いただけると考えていますが、導入当初はそれなりの投資が必要になるかもしれません。
翻訳会社としての私たちがこのシステムを提案するのは、あくまで成功を導き出すためのツールとして使用していただくことが目的であり、システムをお客様にご購入いただくことを目的としているわけではありません。多言語翻訳やDTPといったソリューションのひとつとしてCMSが存在しています。お客様が求める最適なご提案とは何かを常に考え、必要なものとそうでないものを見極めながら、長くおつきあいいただける信頼関係を築くことが大切だと考えています。場合によっては、CMSの導入をお勧めしない場合や、他社製品をお勧めする場合もあり、お客様の課題解決に適したソリューションをご提案するよう努めております。
システムにはメンテナンスも不可欠で、長く運用していただくためには適切なアップデートを継続していく必要があります。当社は翻訳のみならず、DTPやHTML、WEBの領域でもノウハウを蓄積しているのが強みです。コンサルティングやサポートも体制も充実しており、オンラインマニュアルのためのシステム構築のお手伝いもおまかせください!
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