第二の世界共通語 中国語翻訳の4つの基礎知識
アイ・ディー・エーで受注するさまざまな翻訳業務のなかで、中国語関連の案件はかなり大きな割合を占めています。2020年から続くコロナ禍にあっても着実にGDPを拡大している中国。中国語翻訳の需要はますます広がりを見せていますが、実は中国語は中国国内のみならず、東南アジアでのビジネスシーンにも必要とされる言語です。
目次
1. 中国語翻訳の基礎知識「簡体字」と「繁体字」の違いとは?
簡体字、繁体字という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないのでしょうか。
中国国内で使用される「簡体字」
簡体字とは、中国国内で使用されている中国語の文字(言葉)です。本土以外にもシンガポールやマレーシアに居住している中国人の間では簡体字(一部では繁字体も使用)が用いられています。
台湾・香港などで使われる「繁体字」
一方、繁体字は台湾や香港、また世界中の華僑が集まる地域で使用されている伝統的な中国語の文字(言葉)です。
ターゲットとする地域によって簡体字/繁体字を使い分け
中国語を翻訳する際には、クライアントがどの地域をターゲットにするかによって、簡体字または繁体字を使い分けたり、訪日外国人観光客向けのインバウンド対策では、簡体字・繁体字の両方で納品することもあります。
簡体字←→繁体字の自動変換は問題あり
中国語翻訳を請け負う会社では、まず日本語から中国語への翻訳を簡体字で行い、さらに繁体字への変換は変換機を使用する場合があります。ただ、その際には注意が必要です。簡体字も繁体字ももともとは同じ中国語ですが、それぞれの文化圏で独自の発展を遂げ、現在では語彙や文法(語法)にも違いが見られます。中国語と言っても、簡体字と繁体字は似て非なるもの。特に、簡体字は画数を減らして簡略化された文字になっており、繁体字に変換する際に変換機による誤訳も多々発生する可能性があります。
自動的な変換では課題も多いのが現状ですが、アイ・ディー・エーの中国語翻訳サービスでは、簡体字、繁体字それぞれに専門スタッフがきめ細やかに対応。ネイティブによる翻訳チェックを行い、クオリティの高い翻訳技術を提供しています。
2. 中国の新広告法は翻訳でも注意が必要
中国で事業を展開する場合、特に注意したいのが広告法です。中華人民共和国広告法が施行されたのは1995年。その後、経済のめざましい発展とともに、中国国内の広告市場は急激に拡大していきました。2015年には消費者保護の観点から広告法改正が行われ、広告の不当表示などに対する規制が強化されました。虚偽広告や誇大広告を厳しく規制するために、いくつものNGワードが存在します。
日本でよくある広告表現をそのまま翻訳すると法律違反になることも!?
日本では当たり前に使用している広告表現にもNGワードとなるものが多々あり、そのまま中国語に翻訳して使用していると、過料に処される場合や営業免許の取り消しなど、厳しく罰せられる可能性があります。
たとえば、「最大」「最高」などの言葉は、近年は日本語の表現でも「最大級」「最高級」などとやや広義に捉えられるものに置き換えるのが一般的ですが、中国ではNGワードとして扱われます。「第一」「唯一」「ランキング一位」「全部」などもすべてNG。根拠となるデータや数値で確固たる事実を示すことができなければ、虚偽広告とみなされます。
現地事情に精通している翻訳会社を選ぶことが大切
中華人民共和国広告法の原文では、NGワードとなる言葉がはっきりと規定されているわけではなく、概要が示されているのみ。当社の中国語翻訳担当者は、クライアントからの要望に応じて過去に違法となった凡例をチェックしたり、中国国内の弁護士が発信しているWEBサイトなどから情報収集したり、常に情報のブラッシュアップに努めています。中国国内での販売促進のために中国語翻訳を依頼される場合は、現地事情に精通している翻訳会社を選ぶことが大切です。
3. 中国語の機械翻訳はまだまだ発展途上
予算的な問題で、中国語の機械翻訳に関心を持たれる方もいらっしゃると思います。機械翻訳の性能に関して、中国語は英語にくらべるとまだまだ発展途上といった感が否めません。日本では特許技術をもつ機械メーカーなどが用字用語を学習データとしてコーパス化し、中国語の機械翻訳を活用している事例もありますが、一般的な翻訳のクオリティという意味では課題があります。
4. 東南アジア圏向けに中国語翻訳を依頼される場合も
昨今は、東南アジアをターゲットにビジネスを展開している企業も多数あります。タイ語やベトナム語などの多言語翻訳にもフレキシブルに対応できるのが当社の強みですが、東南アジア圏向けに、中国語翻訳を依頼されることも増えてきました。
東南アジアや中国国内、台湾とのビジネスを模索しているみなさん、経験豊富な中国語翻訳スタッフが多数在籍する当社に、ぜひご相談ください。
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