HTMLマニュアルのメリットとは

WEBソリューション事業部:本多
2024.08.22

製品マニュアル、取扱説明書には、印刷(製品同梱)、PDF、組み込みヘルプなど製品やユーザーによって様々な形式があります。
それに加えて近年、HTML形式によるマニュアル、ヘルプをオンラインで提供するケースが増えています。

HTML形式で提供することには、製品ユーザーと提供企業、双方にとって多くのメリットがありますが、マニュアルのご担当者の間でも意外と認識されていないものもあるのではないでしょうか。下記にそれぞれの視点からのメリットをご紹介します。

製品ユーザーにとってのメリット

探している情報を見つけやすい

HTML形式のマニュアルであれば、ユーザーはインターネットを介して簡単にアクセスできます。
HTMLマニュアルは企業の製品ウェブサイトやサポートサイトに掲載されることが多いですが、一般に公開されているマニュアルであれば、Googleなどの検索エンジンからのアクセスも多くなります。
HTML形式で提供されたマニュアルは、PDFに比べ検索エンジンでの検索結果に表示される可能性が高くなります。さらに、適切なキーワードを使用することで、ユーザーが製品に関する情報を検索エンジンで探す際に、マニュアルが表示される確率が高まります。
また、HTMLマニュアルでは、マニュアル内検索を使用したり、参照リンクをクリックしたりして必要な情報をより早く見つけることができます。

動画、インタラクティブな機能

HTMLマニュアルには、動画やアニメーション、3Dモデルなどを組み込むことができます。これによって、イラストだけでは伝えにくい製品の動作や操作方法を表現する事が可能になり、機能の紹介やトラブルシューティングがより効果的に行えます。
また、開閉式のコンテンツや関連コンテンツの表示などインタラクティブな機能を組み込むことで、ユーザーが情報を探す際の利便性が増します。

マルチデバイスの対応

レスポンシブデザインで作成されたHTMLマニュアルは、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでの閲覧にも対応できます。
特に、外出先や移動時に使用する可能性のある製品のユーザーにとっては、スマートフォンで検索や閲覧ができることは大きなメリットとなります。


提供する企業にとってのメリット

コスト削減

紙のマニュアルからオンラインマニュアルに切り替えた場合、印刷・配布するコストや労力を削減することができます。またPDFと比較しても、HTML形式のマニュアルは更新や修正が容易であるため、管理コストを低減することができます。特にDTP作業でPDFを作成する場合と比較すると、多言語ローカライズのコストは大幅に低減できます。

最新の情報が提供できる

HTML形式で提供されたマニュアルは、必要に応じて容易に更新できます。製品仕様や手順が変更された場合や情報の間違いが発見された場合、企業は即座に変更内容を反映させることができ、ユーザーは、より正確な最新の情報を得ることができます。

アクセス解析

製品のマニュアルをHTML形式で提供することで、Google Analytics 4(GA4)などによるアクセス解析が可能になります。アクセス解析は、ユーザーがマニュアルにアクセスし、どのような行動をとるかを追跡し、分析する施策です。

ユーザーの行動を理解する

アクセス解析を使用することで、ユーザーがマニュアル内でどのようなページやセクションを最も頻繁に閲覧するか、どのような検索ワードを入力するか、どのようなデバイス、OS、ブラウザを使用しているかなど、ユーザーの行動を詳細に分析することができます。

課題の特定とコンテンツの改善

アクセス解析を通じて、ユーザーがマニュアルを使用する際の課題や障害を特定することで、それに基づいたコンテンツの改善が可能になります。
たとえば、特定の検索ワードで頻繁にマニュアル内検索が行われている場合、求められている情報や役立つコンテンツを検討し、コンテンツを追加したり、より分かりやすい位置に移動したりすることができます。そのような改善を繰り返すことで、製品の利用体験におけるユーザー満足度を高める事ができます。

効果的なマーケティング戦略の策定

アクセス解析は、ユーザーがどのような検索キーワードやリンクからマニュアルにアクセスしているかを把握するのに役立ちます。これにより、ユーザーの関心を分析することが可能になり、マーケティング戦略に役立つ情報を収集することができます。

ユーザフィードバックの収集

マニュアルの各ページに、フィードバック用の評価ボタンや、コメント欄のフォームを設けることで、マニュアルに対するユーザーからのフィードバックを収集することができます。

ROIの評価

アクセス解析を行うことで、実際にマニュアルを閲覧しているユーザー数や閲覧ページ数、閲覧時間を把握することが可能になります。社内のサポート部門も利用する場合、製品ユーザとは別に分析することも可能です。
それにより、マニュアルの運営や改善にかかるコストと、それによって生じる利益や成果を比較、評価することができるようになります。投資対効果(ROI)を評価し、戦略の修正や調整に役立ちます。

SDGsの観点

上記のようなメリットに加えて、紙で印刷・配布していたマニュアルをHTMLに切り替えることで、SDGsの観点でもメリットがあります。

印刷に使用される紙の消費を削減

紙の生産と印刷には大量のエネルギーが必要ですが、デジタル化することでこれを削減できます。デジタルフォーマットは容易に更新できるため、新しい情報や修正がある場合でも、再印刷の必要がなく、資源の無駄を減らせます。
また、紙の使用を減らすことで、廃棄物の削減につながります。紙の廃棄物はリサイクル可能ですが、リサイクルプロセス自体もエネルギーを消費するので、紙自体を減らすことが、より望ましい方法といえます。

アクセシビリティ

視覚障害者のためのアクセシビリティ向上に大きく貢献します。
読み上げ機能を持ったソフトウェアを使用する場合、PDFマニュアルと比較してもHTMLマニュアルははるかに情報を得るのが容易であり、アクセシブルなマニュアルであると言えます。


以上の様に、HTMLマニュアルは紙のマニュアルに比べて多くのメリットがありますが、PDFでのマニュアル提供も依然として必要という場合も多いでしょう。

そのような場合は、CMSを利用してワンソースからHTMLとPDFのマニュアルを作成する方法もあります。

アイ・ディー・エーでは上記のようなメリットに対応したMadCapを使ったHTMLマニュアル制作のソリューションを提供しておりますので、お気軽にお問合せください。

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ライターWEBソリューション事業部:本多

idaにて、主に多言語ドキュメント制作管理CMS「MadCap」の販売・導入支援を担当。
以前、多言語WEBサイトの制作ディレクションを主な業務としていた経験から、HTMLマニュアル活用については、WEB制作の視点からも提案を行っている。