企業向け多言語CMS選定で考慮するポイント

拡張性

企業向けのCMSとしては、構築後の機能の拡張性があるものが理想的です。モバイルサイトへの対応、社内CRMツールとの連携、会員エリアの追加など、予算やスケジュールの制約から、初期構築時に実装できなかった機能も、あらかじめ想定して構築しておけば、段階を経て追加することができます。
特に多言語サイトでは、あらたな言語の追加や、ASEAN向けなど、既存のコンテンツを流用した特定地域向けの小規模なサイトを構築する場合もあります。

グローバル対応、言語間のコンテンツの同期と変更

多言語のコンテンツに対応するためには、データベースがUnicodeであることはもちろん、多言語コンテンツを効率的に管理できることが重要です。

  • 各言語サイトごとに全体が別のデータとなるのではなく、言語間のコンテンツを同一ツリー構成で紐づけて管理できる。
  • コンテンツのローカライズ時に、ソース言語を任意の単位でコピーできる。
  • 各言語サイトでページ、コンテンツの差異をもたせることができる。

効率的な翻訳フロー

多言語展開を想定したCMSには、ソース言語に追加されたコンテンツを翻訳する際、原文データをXMLで出力して、翻訳済みXMLを再度インポートすることで、多言語サイトに翻訳を反映させる機能があります。更新が効率的に行えるとともに、翻訳データをXML化することにより、翻訳支援ツールでの翻訳が可能になり、翻訳メモリや用語集が活用できます。

海外での実績

多言語サイトを現地で運用・管理する可能性がある場合、海外でも知られているシステムであることがメリットとなります。海外での利用者が多いシステムでは、使い方やサポート情報、フォーラムなどの英語情報が多く、現地法人でのシステムに対する心理的、技術的なハードルを下げることができます。

管理権限の柔軟な設定と管理画面の多言語対応

多言語サイトを現地で運用・管理する可能性がある場合は、コンテンツや国ごとに管理権限を柔軟に設定する必要があります。また、管理画面が多言語に対応していることが必要です。導入時には日本語と英語だけで良かった場合も、将来的に対象言語が増える可能性があります。